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  20分の恋

 


恋をしてしまいました。


10分前、ギターをポロロンと弾いて公園にすわっておりました。


カメラをパシャリとやる音がしてふと見ると


草むらからかわいらしい女の子が出てまいりましたので


「そのこどこの子か」と申しますと


「カメラしております」と申すので、「ご自由にやられい」


と申しました。


こういった光景は今までも多々あってわたくしはあまり好きでないのです。


一時などふつうに座っているだけだのにああしろ、こうしろ、などと注文をつけられて


公衆の面前でヘンテコなポウズをとらされたり。


池の淵すれすれまで身を乗りだしてなおかつ「陽気に唄ってください」などと


半気違いじみた写真を撮られる人がいましたもので、わたくしはいつも何もしないことに


決めております。


ファインダァを覗いていた彼女の手が止まったのはその後でした、


「あまりに何もポゥズをとらなすぎたかしら」と思い、たずねると


彼女はファインダァをくぐり抜けて、すでに隣に座っておりました、


わたくしは「ようこそいらっしゃいまし」と申し、あらためて自己紹介をして


恋が始まりました。


彼女の目に映る一枚の光と影の中でわたくしはポロロンとギターを弾き、


楽しげなお話をして、彼女も笑っておりました。


しばらく話し込んで彼女はふたたびファインダァのむこうに帰っていきました。


そして恋も終りました


その隙にわたくしもパシャリと一枚カメラさせてもらいました。