パートタイムラバー


社員7名内5名男子、他20〜30のパートタイム主婦をかかえる社員食堂にて私は働いている
今となってはなかなか手名付けたものだが、入社当時はそりゃあひどかった
さすが、一介の旦那様を結婚へと導いただけあって一「男子」の私なぞすぐに手のひらで踊らされ、いつのまにやら彼女等のいいなりとなり、爪を噛んでは項垂れる日々が続いていたのである
「藤沢さん、お酒好きみたいよ」と始まると「酒乱なんだって」となり「それで彼女に逃げられたんだって」、とこういう風に活用されて返ってくる、野次罵倒
 頭の先から爪の先までのダメ出し、旦那様の苦労をバーチゃル体験させられる毎日
「そんで俺の何を知ってる訳!?」、と。海賊団で走り回っている時にとうとう切れた
あいにく会社には「海賊」であることは伏せていたのでそれ以上は話さなかったのだが、刺激の少ない毎日を送る彼女等にこの発言は格好のスクープとして報道された
 それから連日の取り調べ、仕事の合間をぬってはひとり、また一人とかわるがわる聞き込みにあいその間私はしらを切る毎日。
そして出来た彼女等による僕のデータはこうだ。
30過ぎまで定職につかず遊び回って結婚も出来ず何のとりえも無いニート男
まぁ、一般社会人から見ればそうあまり変わりもしないのだが、、人間失格状態である(ヒロポンはやってません)
そして一年が過ぎその年の暮、会社あげての忘年会がしくまれた、理由は(「藤沢君を飲ませてからかおう」)との事はみえみえ。
まったく行く気がしないので早々に家に帰って寝ていると早速電話の嵐
「ピー、今○○屋の前にいるから」「ピー、早くこいよ」「どうせ寝てんだろ」って具合
さすがに頭にきた具合にまた電話「ピー、今カラオケ行くんだけれど藤沢君の歌。ききたいな〜」
完全に藤沢魂に火をつけてしまった「あー!行くよ行ったるよ!!どうなっても知らんからな!!」とブチ切れ
早々に辿り着き生ビールを二杯一気飲み、カラオケブックを横取りし「俺歌いまーす」と『また逢う日まで』を熱唱。その後も思いつくまま片っ端にレパートリーを次々に歌い泥酔してみた
気がつくと、膠着する主婦連を見つめながら耳もとで「愛の歌」などをささやいてみたりして
翌日からは風を切って出社
かくしてけなげな主婦連をてなづげたのでした


どあほう春団次やで〜!!